ライオンとねずみ
おはなしのあらすじ
小さなねずみが、眠っているライオンを起こしてしまいます。ライオンは笑ってねずみを逃がしてあげました。のちにライオンが網にかかると、ねずみが駆けつけて助けます。

むかしむかし、ひろいひろい きんいろの そうげんに、おおきな アカシアの きが ありました。その きの したで、ライオンが ぐうぐう ねむっていました。ライオンは、そうげんで いちばん おおきくて、いちばん つよい ライオンです。いびきは かみなりのよう。ぐるる…… ぐるる……。そこへ、ちいさな ねずみが ちょろちょろ やってきました。たねを さがしているのです。ねずみは とても いそいでいて、まえを よく みていませんでした。ちょこちょこ ちょこちょこ。ライオンの おおきな おててを のりこえて、おはなの うえまで、たたたっと はしって いってしまいました。

ライオンは、おおきな くしゃみを して めを さましました。「はっ、くしゅん!」さっと おててを のばして、ねずみの しっぽを ぱくっと つかまえました。「だれだ、そうげんの おうさまを おこすのは!」ライオンは がおーっと ほえました。ちいさな ねずみは ぶるぶる ふるえました。「ああ、ごめんなさい、ライオンさん。おこす つもりじゃ なかったの。どうか にがして ください。そうしてくれたら、いつか きっと、わたしも あなたを たすけますから。」

ライオンは、きの はっぱが ゆれるほど わらいました。「はっはっは! おまえが わしを たすける? こんな ちいさな ねずみが、おおきな ライオンを? こんな おかしな はなしは、ことしはじめてだ!」けれども、ライオンは おなかが すいていません。ねずみは とても ちいさいし、ごめんなさいも ていねいに いえました。「いきなさい、ちいさな ねずみさん。」ライオンは くすくす わらって、おててを あけました。「ありがとう、ありがとう!」ねずみは ちゅうちゅう いいました。「わたし、ぜったい わすれないわ!」そして、くさの なかへ ちょろちょろっと にげていきました。

それから なんにちか たったころ。ライオンは、たかい くさの なかを あるいていました。すずしくて やすめる ばしょを さがしていたのです。でも、みちの うえに、かりうどが かくした おおきな あみが あるのには きが つきませんでした。ばさあっ! あみが ライオンの うえに おちてきました。ライオンは ひっぱりました。おしました。ころがりました。でも、もがけば もがくほど、なわは きゅうっと しまります。「たすけてくれー!」ライオンの おおきな こえは、そうげん じゅうに ひびいて、とおくの かわまで とどきました。

とおく はなれた ところで、ちいさな ねずみは その こえを ききました。きいたことの ある こえです。「あれは ともだちの ライオンさんだわ。たいへん、こまっているのね!」ほかの どうぶつたちは、おおきな おとに びっくりして にげていきました。でも、ちいさな ねずみは、こえの するほうへ はしりました。ちいさな あしで、せいいっぱい。くさの なかを、いしの うえを、しげみの したを、ちょろちょろ ちょろちょろ。とうとう、あみに からまった ライオンを みつけました。

「しんぱいしないで、ライオンさん。わたしが たすけるわ。」「おまえが?」ライオンは いいました。でも、こんどは わらいませんでした。ちいさな ねずみは あみの うえに のぼって、とがった ちいさな はで、なわを かじりはじめました。かりかり、かりかり、ぷつん! いっぽん きれました。かりかり、かりかり、ぷつん! また いっぽん きれました。ねずみは がんばって、がんばって、あみの あなは だんだん、おおきく なっていきました。

とうとう、あなが じゅうぶん おおきく なりました。ライオンは あみから でて、きんいろの たてがみを ぶるぶるっと ふりました。じゆうに なったのです! ライオンは ちいさな ねずみを みました。その めは ありがとうで いっぱいです。「ちいさな ともだち。」ライオンは やさしく いいました。「わしは おまえを わらってしまった。ねずみが ライオンを たすけられるはずが ないと いったね。でも、おまえは わしの いのちを すくってくれた。わらって、ごめんよ。」ちいさな ねずみは にっこり わらいました。「ともだちって、そういうものよ。」

その ひから、ライオンと ねずみは、いちばんの なかよしに なりました。ねずみは よく ライオンの あたまに のりました。くさよりも ずっと たかい ところです。ライオンは、だれも ねずみに いじわるを しないように、いつも まもって あげました。そして ライオンは、ずっと おぼえていました。ちいさすぎる ともだちなんて いない。やさしさは、ぜったいに むだに ならない。おおきな アカシアの きの したで、ふたりは いっしょに、おほしさまが でてくるのを みていました。おやすみなさい。
このおはなしから学べること
小さな友だちも、小さなやさしさも、とても大きな力になるよ。
こんな年齢におすすめ: 3〜7歳
くり返しの音と、やさしい結末、星空の静かな終わりで、3〜7歳の寝る前にぴったりです。
このおはなしのふるさと
The Lion and the Mouse (Perry Index 150) — Aesop, 550 BCE. Lullaquillが、おやすみ前向けに新しく語り直しました。著作権の切れた昔話をもとにした、オリジナルの文章です。
今夜のおはなしの主人公を、お子さまに
Lullaquillアプリに、お子さまの名前と好きなものをいくつか入力してください。お子さまが主人公の、穏やかでやさしいおやすみ前のおはなしを、絵とやすらぐ声でお届けします。
ナイトキャップをかぶったうさぎのルナが、毎晩おはなしを読んでくれます。
さんびきのこぶた
あかずきんちゃん
ゴルディロックスと さんびきのくま
うさぎと かめ
おおかみが きたぞ!
みにくいあひるの子
ヘンゼルとグレーテル
シンデレラと ガラスの くつ