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こびとと くつやさん

6分3〜8歳
こびとと くつやさん
6分

おはなしのあらすじ

くつやさんに のこった かわは、あと くつ ひとつぶん。ところが あさになると、りっぱな くつが できあがっていました。よるごとに たすけてくれるのは だれでしょう。ふうふは あたたかい おれいを おもいつきます。

むかしむかし、やねの まがった ちいさな まちに、トビアスという としよりの くつやさんが すんでいました。まいにち いっしょうけんめい、ちいさな かなづちで トントントン、トントントンと はたらきます。でも、くらしは くるしくて、ある ばんには、かわが あと くつ いっそくぶんしか のこっていませんでした。「しかたがない。きょうのうちに かわを きっておいて、あしたのあさに ぬおう」と、くつやさんは ためいきを つきました。かわを きれいに しごとだいの うえに ならべて、ろうそくを ふっと けして、ねどこに はいりました。

あさになりました。トビアスさんは ねむい めを こすりながら、かいだんを おりてきました。すると、どうでしょう。しごとだいの うえに、くつが いっそく、もう できあがっているでは ありませんか。ぬいめは ひとつひとつ ちいさくて、まっすぐです。かわは くりのみのように ぴかぴか ひかっています。「おまえ、おまえ、ちょっと きてごらん」と よぶと、おくさんが いそいで やってきました。「だれが つくったのかしら」と、おくさんは ささやきました。だれにも わかりません。ちょうど そのひ、ひとりの おきゃくさまが おみせに きました。くつが とても きにいって、くつ にそくぶんの かわが かえるほどの おかねを はらってくれました。

そのばん、トビアスさんは かわを きって、くつを にそくぶん、しごとだいの うえに おいておきました。あさになると、ほら、ちゃんと できあがって、ぴかぴか ひかっています。ふたりの おきゃくさまが かってくれたので、トビアスさんは よんそくぶんの かわを かいました。つぎの あさには、よんそくが できていました。それから はっそく。もっと もっと!やがて ちいさな おみせは、まちいちばんの くつを はいてみる うれしそうな ひとたちで いっぱいに なりました。トビアスさんと おくさんの テーブルには パンが のり、だんろには まきが もえました。でも、ふたりは まだ、たすけてくれるのが だれなのか しりませんでした。

ふゆの はじまる まえの ある ばん、トビアスさんが いいました。「おまえ、ねないで おきていて、だれが てつだってくれるのか みてみないかい」「ええ、そうしましょう」と おくさん。ふたりは ろうそくを つけたまま、すみに かかっている コートの うしろに かくれました。まって、まって、ねずみのように しずかに まちました。とけいが チクタク、チクタク。まちは ぐっすり ねむりました。そして、まよなかに、ちいさな おとが きこえました。ぴたぴた、ぴたぴた、ぴたぴた。

すると、ちいさな こびとが ふたり、ぴょんぴょん はねながら やってきました。しごとだいの うえに よじのぼると、はりと ちいさな かなづちを もって、しごとを はじめました。チクチク、チクチク、トントン、トントン!ゆびが あまりに はやくて、くつやさんには よく みえないほどです。こびとたちは ハミングを しながら はたらいていました。でも、トビアスさんは きが つきました。こびとたちは はだしで、ふくは うすくて あなだらけです。しごとが おわると、こびとたちは ぴょんと とびおりて、よるの やみへ はしって いきました。

つぎの あさ、おくさんが いいました。「あの かわいい こびとさんたち、たくさん たすけてくれたわね。でも、さむいでしょうねえ。あったかい ものを つくって あげましょうよ」「それは すてきな かんがえだ」と トビアスさん。おくさんは ちいさな シャツを ふたつ、ちいさな うわぎを ふたつ、あったかい けいとの くつしたを ふたそく あみました。トビアスさんは ちいさな ながぐつを ふたそく つくりました。いままでで いちばん ちいさくて、いちばん やわらかい くつです。その ばん、かわの かわりに、おくりものを しごとだいの うえに ならべました。そして、また かくれました。

まよなかに、ぴたぴた、ぴたぴた、こびとたちが やってきました。しごとだいに のぼって しごとを しようとすると、そこに あったのは おくりものです。ふたりは めを まんまるに しました。シャツを きて、うわぎを きて、くつしたを はいて、ながぐつを はきました。ふたりは かおを みあわせて、あははと わらって、わらって、わらいました。それから おどりだしました!しごとだいの うえを ぴょん、いすの うえを ぴょん、そして とびらから そとへ。あたらしい あったかい ふくの うれしい うたを うたいながら。

こびとたちは、もう くつを つくりには きませんでした。でも、それで いいのです。トビアスさんは こびとたちの こつを おぼえて、おみせは ずっと うまく いきました。ふゆになって、ゆきが しんしんと ふるころ、トビアスさんと おくさんは だんろの そばで にこにこ しました。「こびとさんたち、こんやも あったかいと いいねえ」と ふたりは いいました。そして、どこかの ほしぞらの した、ちいさな ながぐつを はいた ふたりの こびとも、ほかほか あったかく すごしていました。おしまい。おやすみなさい。

このおはなしから学べること

しんせつを うけたら、あたたかい きもちで おかえししようね。

こんな年齢におすすめ: 3〜8歳

みじかくて やさしい おはなしで、「トントン」の おとが ここちよく、3さいから8さいの ねるまえに ぴったりです。

このおはなしのふるさと

Die Wichtelmänner (KHM 39) — Jacob and Wilhelm Grimm, c. 1812. Lullaquillが、おやすみ前向けに新しく語り直しました。著作権の切れた昔話をもとにした、オリジナルの文章です。

今夜のおはなしの主人公を、お子さまに

Lullaquillアプリに、お子さまの名前と好きなものをいくつか入力してください。お子さまが主人公の、穏やかでやさしいおやすみ前のおはなしを、絵とやすらぐ声でお届けします。

ルナ

ナイトキャップをかぶったうさぎのルナが、毎晩おはなしを読んでくれます。

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